「麻痺があるから、力が入らない。」

脳梗塞や脳出血のあとに手足が動かしにくくなると、 まず「筋力が弱くなった」と考える方は多いと思います。

もちろん、筋力は大切です。

ただ、脳卒中後の「動かしにくさ」は、 筋力だけでは説明できないことがあります。

そもそも「麻痺」とは?

脳卒中では、脳の一部が損傷することで、 身体を動かすための情報がうまく伝わらなくなることがあります。その中でも運動を脊髄へ伝える神経を損傷した時に生じるのが運動麻痺です。

その結果として、

  • 腕や脚に力を入れにくい
  • 思った方向へ動かしにくい
  • 動きがぎこちなくなる
  • 手を細かく使いにくい
  • 歩くときに身体をうまくコントロールできない

といったさまざまな変化が起こります。

つまり、麻痺を単純に 「筋力が弱くなった状態」と考えるだけでは、 実際に起きていることを十分に捉えられない場合があります。

「力がある」と「うまく動かせる」は違います

ここは、リハビリを考えるうえでとても大切なところです。

力を出せる 筋肉を収縮させて、ある程度の力を発揮できる。
うまく使える 必要なタイミングや強さ、方向に合わせて身体をコントロールできる。

たとえば、ベッドの上では脚を動かせるのに、 立って歩こうとすると急にうまく動かせなくなることがあります。

手を握ることはできても、 箸を使ったり、ボタンを留めたりすると難しいこともあります。

「動くかどうか」と、 「その動きを生活の中で使えるかどうか」は、 同じではありません。

感覚も、身体を動かすために必要です

私たちは身体を動かすとき、 筋肉に命令を出しているだけではありません。

足の裏が床に触れている感覚。

膝がどのくらい曲がっているのか。

腕が今どこにあるのか。

身体が右と左のどちらに傾いているのか。

こうした身体から入ってくる情報を受け取りながら、 脳は動きを調整しています。

動くためには、 「身体を動かすこと」と同時に、 「自分の身体がどうなっているかを感じること」も必要です。

脳卒中では運動の障害だけではなく、 感覚にも変化が起こることがあります。

そのため、筋力だけを見ていても、 なぜその動きになっているのかが見えてこないことがあります。

同じ「片麻痺」でも、動き方は一人ひとり違います

「右片麻痺」という同じ診断名であっても、 実際の身体の使い方は一人ひとり違います。

ある方は、麻痺した脚に体重をかけることが難しい。

ある方は、体重をかけることはできても、 歩くときに脚を前へ出しにくい。

また別の方は、 歩けていても人混みや段差になると急に不安定になる。

だからこそ、 「片麻痺だからこのリハビリ」と 一つの方法を当てはめるだけでは十分ではありません。

大切なのは、 「麻痺がある」という名前だけを見るのではなく、 その人の身体で今、何が起きているのかを見ることです。

Plusimは麻痺を4つの視点から考えます

Plusimでは、身体の状態を一つの要素だけで判断しません。

Plusim Methodでは、 「感覚・認知・動き・生活」という4つの視点から その方の状態を考えます。

感覚 身体からどのような情報を受け取っているのか。
認知 自分の身体や周囲の状況をどのように捉えているのか。
動き 実際にどのような身体の使い方をしているのか。
生活 日常の中で何に困り、何をできるようになりたいのか。

もちろん、必要であれば筋力を高める練習も行います。

反復して動作を練習することもあります。

重要なのは、 「筋力をつければいい」 「とにかくたくさん動かせばいい」 と最初から決めてしまわないことです。

なぜ今この動きになっているのかを評価し、 その人に必要なリハビリを考える。

Plusimが大切にしているのは、この過程です。

麻痺した手足を動かすことだけが、ゴールではありません

リハビリの目的は、 麻痺している手や脚を動かすことそのものではありません。

その先にある生活が大切です。

「自分の足で外を歩きたい」
「利き手で文字を書きたい」
「料理をもう一度したい」
「家族と旅行に行きたい」
「仕事に戻りたい」

同じ麻痺でも、 目指したい生活は一人ひとり違います。

だからリハビリも、 本来は一人ひとり違っていいはずです。

麻痺した手足を「動かすこと」だけではなく、
その身体をどう感じ、どう使い、 生活の中で何をしたいのかまで考える。

Plusimは、そこまでをリハビリだと考えています。

麻痺について、もう一度考えてみる

麻痺があるから動かない。

筋力が弱いから歩けない。

そう見えることでも、 身体を詳しく見ていくと、 それだけでは説明できないことがあります。

感覚はどうなのか。 身体をどう認識しているのか。 どんな動き方をしているのか。 そして、生活の中で何をしたいのか。

麻痺を一つの言葉だけで捉えず、 その人自身を見ていくこと。

そこから見つかるリハビリがあります。

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