高次脳機能障害ってなに?(ご家族・当事者向け)

脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)を発症すると、いろいろな後遺症がみられます。動かしにくい・動かない運動障害、感じにくい・感じない感覚障害がよく知られていますが、高次脳機能障害も後遺症を代表する1つです。
本記事では、この高次脳機能障害についてどんな種類があるのか、またどんなリハビリがあるのかについてご紹介しています。

高次脳機能障害について

高次脳機能障害とは

外傷性脳損傷、脳血管障害などの器質性脳病変の後遺症として、記憶障害・注意障害・遂行機能障害・社会的行動障害などの認知障害等を呈するもの

厚生労働省HPより引用

このように、高次脳機能障害は認知障害とされていていろいろな種類があります。代表的な高次脳機能障害をご紹介します。

失語症:スムーズに話せない、会話を理解しにくいなど言語の扱いに障害が出ます
注意障害:集中力が続かない、対象によって意識しにくいなど注意機能の障害です
半側空間無視:損傷した脳の反対側(右の脳梗塞なら左側)のいろいろな感覚を無視します
失行症:スムーズに動けない、新しい動きが上手くならないなどの症状です

このように、一言で高次脳機能障害(認知障害)と言っても症状は様々で一人一人生活への支障のきたし方が異なってきます。そのため、リハビリを開始する前やリハビリをしながらしっかりと検査や評価を行って、どんな高次脳機能障害がみられるのか、また目標を達成するために必要なリハビリはなんなのかを見極めていく必要があります。

その手がかりとなるのが、どちらの脳がご病気になったのかです。脳は中心から左右に分かれていて、左右それぞれ機能が異なります。そのため、どちらを損傷したのかによってみられる高次脳機能障害がだいたい決まってきます。

左側の脳のご病気右側の脳のご病気
失語症
失行症
半側空間無視
身体失認

この他にもたくさんありますが、代表的なものになります。
一方で、注意障害や記憶障害は左右どちらのご病気でもみられます。ですが、注意障害であれば「何に」注意を向けるのかで特徴がありますし、記憶障害であれば「何を」覚えにくいのかもしくは思い出しにくいのかに特徴があります。つまり、1つ1つ丁寧にみていくことで当事者様の状態がはっきりしてきます。その上でリハビリを進めていかなければ、本当は改善できる症状でも改善がみられない可能性もあります。

高次脳機能障害のリハビリ

ここまで書いてきた通り、高次脳機能障害はしっかりと評価・検査をすることが大切で、一人一人の状態を細かくみていく必要があります。そして、最も大切なのが高次脳機能障害にリハビリをするのではなく、高次脳機能障害がみられる人にリハビリをすることです。
話せないから話す練習をする。これはよくあるリハビリですが、話すことはとても複雑なことです。なぜ話せないのか?を十分に紐解いた上で、当事者様の生活で言語がどのように使われていたのか、どうすれば楽に話せるのかを考えてリハビリをしていきます。
リハビリは目標に向かって進むことが大切です。ご本人の目標が「話したい」でも、その人の今までの人生によって「何を話したいのか」は変わってきます。講演会で話したいのか、電話で話したいのか、家族と話したいのか、その人に合ったリハビリが必要です。

また、高次脳機能障害のリハビリは机上で行われることが多いのですが、身体を動かして行うリハビリが有効な高次脳機能障害もたくさんあります。代表的なものは失行症や半側空間無視です。高次脳機能障害は行為に影響を及ぼします。自分がしたいと思ったことが思い通りにできない、もしくはどうすれば良いかわからないなどです。運動して感覚が入ってくることをリハビリで行うことが、高次脳機能障害の改善にもつながっていきます。

Plusimでは、最新の知見を参考に利用者様の状態をできる限り細かく把握し、その方のお身体の状態に合わせて目標を達成するためのリハビリを提供しています。

・厚生労働省:「高次脳機能障害支援モデル事業 中間報告書」の概要.2003

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