線維筋痛症のリハビリテーション

線維筋痛症にリハビリテーションは有効か?

もちろん個人差がありますが、有酸素運動などのリハビリの有効性が報告されています。ですが症状が多岐に渡り原因もはっきりしない線維筋痛症は、運動だけでは改善しない人もいます。

では運動で改善しない時は何をすれば良いのでしょうか?

慢性痛ではポピュラーな、脳機能や心理面を考慮したリハビリを行うのがその1つです。

本記事では第10回線維筋痛症学会学術集会で医師向けに講演した経験もある著者が、今までの線維筋痛症患者へのリハビリの経験も踏まえながらリハビリについてご紹介します。

こんな人にオススメの記事です

・線維筋痛症に有効な運動を知りたい
・線維筋痛症に詳しい理学療法士のリハビリを受けたいけどどこでできるかわからない

痛みは単なる感覚ではない

はじめに痛みとは何か?から整理していきます!まずは痛みの定義をご覧ください。

痛みの定義

組織損傷が実際に起こった時、あるいは起こりそうな時に付随する不快な感覚および情動体験、あるいはそれに似た不快な感覚および情動体験(国際疼痛学会 IASP, 2020)

痛みを単なる感覚ではなく情動(快・不快)が働く複雑な出来事であると説明しています。

例えば膝を擦りむいた時、料理をしていて指を切った時、小指を角にぶつけた時…痛みだけではなく、情動が働きます。この情動がやっかいです。

痛い場面をイメージしただけでも嫌な気分になるように、身体に問題がなくても痛みに関する記憶が不快の情動を引き起こし、今この瞬間痛みがあるように感じてしまうんです

最大の厄介な点は、原因や理由はなんであれ痛いことには変わりないことです。痛みと心理面は深い関係にあり慢性痛の要因となっています。

線維筋痛症をはじめとする痛みのリハビリでは、この心理面を考慮したプログラムが重要です。その中で大切なのは、当事者が身体以外にも痛みの原因があることを知ることです。運動やマッサージで改善しない時には、心理面など他の要因も考慮する必要があります。

自分で始められる簡単なリハビリ

では心理面を考慮したリハビリにはどんなものがあるのでしょうか?

1つは【感覚】を手掛かりにした方法です。感覚とは【どんな物が体のどこに触れている(接触感覚)】【どの関節がどれくらい動いたのか(深部感覚)】の2種類があります。運動の時にこの感覚を意識することから始めていきます。

例えばウォーキングをしている時に、
・左右の手は同じように振れているか
・左右の足の裏に乗る体重の感じは一緒か
・左右の歩幅は同じか

これらを目で見ずに感じることで脳にアプローチしてきます。

ただ運動するのではなく、どの関節をどれくらい動かすかを感じるだけでも脳の働きが大きく変わり、痛みの変化を感じる人もいます。つまり痛みを作り出している脳を変化させ、運動を行なっていくことが重要になります。

感覚を意識したリハビリで重要なのは、痛みがない部位から始めることです。痛みがある部位では、どうしても痛みが邪魔してうまく知覚することが出来ません。そのため【動く=痛い】の構造が出来上がってしまい動くことに消極的になってきてしまいます

まずは、痛みがない部位の知覚を意識することから始めていき、痛みがある部位ではどんな感覚がわかりやすいのかを探していく順番が大切です。痛みが長期化している人は、自分が思っている以上に知覚が難しくなっているので、積極的に行っていきたいリハビリです。

リハビリを行わない方が良い場合・注意が必要な場合

線維筋痛症の方でリハビリを行わない方が良い場合があります。禁忌とまではいきませんが慎重に行なった方が良い場合と捉えてください。

運動をすると翌日発熱する

日々調子が大きく変化する線維筋痛症では、調子が良い日に外出や運動をする人が多いです。すると翌日体調が悪くなり発熱してしまう方が少なくありません。

このような場合、【運動すると調子が悪くなる】経験から運動があまり有効ではなくなってしまっています。そのため自主トレや運動メインのリハビリではあまり効果が見られず体調に影響も及ぼしてしまうため、理学療法士など専門家と一緒に始める必要があります。

長い間運動をしていない

線維筋痛症の方は体の変化に敏感です。新しいことを始めると体に変調を感じてしまい日常生活に影響を及ぼすこともあります。

そのためいきなり運動を始めることはお勧めしません。今の自分のお体に適切な運動を適切な負荷量で始めることが大切です。

有酸素運動は様々な良いことがある

痛みを意識したリハビリと運動を併用して行うことが大切ですが、痛いと動きたくない…誰しもそう思います。ですが痛みがあるからこそ運動した方が良い、近年ではそう変化しています。循環の改善、精神面の賦活、脳における身体のアップデートなど運動することで様々な効果が人には見られることが分かっています。

ですが痛みを我慢しながら運動をしても楽しくないですし、いくら体に良いと言われても気は進みません。そこで理学療法士の登場です。今の体・痛みの状態を詳細に評価をした上で、必要な運動、気楽に出来る運動を指導します。また同時並行で運動が出来る体にするためのリハビリを行なっていきます。このようなリハビリを行うためには、慢性痛の専門知識が必要になり行える理学療法士が少ないのが現状の課題です。

お気軽にご相談ください

いかがでしたでしょうか?自費の訪問リハビリプラシム神奈川では、痛みがなかなか良くならない、外出するのがおっくうなどの慢性痛にお悩みの方の相談を無料でお受けしております。
訪問リハビリも個別で対応いたしますので、体調が安定しない線維筋痛症の方は痛みがある時こそ療法士に診てもらうことも大切です。
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