高次脳機能障害の難しさと大変さ
脳の病気やケガのあと、運動や言葉の障害が軽く見えても、「考える力」や「注意」「記憶」「感情のコントロール」などがうまく働かなくなることがあります。これを高次脳機能障害と呼びます。外見からは分かりにくく、本人も自覚がないことがあり、ご家族や周囲が戸惑う場面が多いのが特徴です。正しい理解と支援が生活の質を大きく左右します。
高次脳機能障害について
高次脳機能障害は、脳の器質的な損傷(脳卒中、外傷、腫瘍など)が原因で、記憶・注意・遂行機能・言語・認知・社会的行動などが障害される状態を指します。
診断には、発症や受傷の経緯、日常生活での困りごと、そして画像検査や神経心理検査が総合的に用いられます。
本人の行動が「わがまま」「やる気がない」と誤解されることがあるため、医療者と家族で評価・情報共有することが大切です。
高次脳機能障害の種類
代表的な障害を具体例で説明します。
- 注意障害
じっと聞いていられない、複数のことを同時にできない
- 記憶障害
新しいことが覚えられない(短期記憶障害)。昔のことは覚えていることが多い
- 遂行機能障害
計画や順序立て、切り替えが苦手で、家事が最後までできない
- 失語症
言葉が出にくい、理解しにくい
- 失行症・失認
使い慣れた動作ができない、物や顔が認識できない
- 情動・行動の変化
抑制がきかない、感情が不安定、自己認知が低下することもある
高次脳機能障害の治療
治療は、根本原因に対する急性期の医療と並行して行われます。認知症とは異なり、原因に応じて回復が期待できる場合があります。
近年は早期の評価と個別化されたリハビリテーションが有効であることが示されており、薬物療法、認知リハビリ、環境調整、家族支援などを組み合わせるのが一般的です。
高次脳機能障害の種類
リハビリは「できることを増やす」「生活での困りごとを減らす」ことが目的です。次の方法で行われていくことが一般的です。
- 評価
神経心理検査、ADL観察、家族への聞き取り
- 訓練
記憶訓練、注意トレーニング、課題分割や手順化など個別に処方
- 環境調整
見える化、雑多な刺激を減らす、ルーチン化
- 代替戦略
ノートやスマホリマインダーの活用、役割分担
- 家族支援
支援情報や相談窓口の活用、心理的サポート
Plusimのリハビリ
Plusim(プラシム)は、優位半球と呼ばれる左側の脳を脳梗塞や脳出血によって損傷して生じる右片麻痺を専門とした保険外(自費)のリハビリサービスです。特に高次脳機能障害を専門としていて、ご利用者様の9割以上が失語症や失行症の症状をお持ちで確かな実績があります。
年齢別のリハビリプログラム
専門性に特化したリハビリ
最後に — 家族へのメッセージ
高次脳機能障害は「見えにくい障害」です。本人も周囲もつらさを抱えやすいため、早く評価すること、困りごとを具体的に書き出すこと、小さな改善を一緒に喜ぶことが大切です。家族の負担は大きくなりがちなので、地域の支援窓口や専門職に相談し、チームで支える体制を作りましょう。
